第18談 追憶 (山頂詣りと蛇除け)

第18談 追憶 2021年(令和3年) 6月28日(月)

①『山頂詣りに付いて』

僕が小学6年生の時ですから今より遡る事56年前に、僕は父と父の友人2人の計4人で、オニギリ・漬け物・水筒やナタや電灯など最低限の必要品を持ち、春先の夜明け前の2時まだ薄暗い中を、とある山へ向かい出掛けました。

そして、早朝3時半ごろ予定地に到着し、山下の鳥居から山上の鳥居を目指し距離の長い楽な参道は避け、徒歩で一番近道の危険極まりない ぬかるみの獣道を選び、目的地の奥ノ院の拝殿へと足を運びました。

5時半 小さな拝殿に着き不動尊や山ノ神及び諸尊に供物を献上し読経を終わり、またその上の山頂を目指し登拝、ようやく岩に腰掛け朝食を頂く、これがまた今迄に無く大変美味しかったと記憶に残っております。

その時、丁度 朝日が昇り始め、その神々しい朝焼けに抱かれ4人で合掌、僕も幼心に身心共に浄められたような感動で 薄っすらと涙が流れ、清々しくその光景に しばし見とれて居りました!

②『蛇除けや虫除けに付いて』

その後の下山時に、父が何気なく僕を見つめながら話された事ですが、僕がたまたま青色=藍色のジーパンを着用していたからだと思いますが、その【㋑ ジーンズは何処の国の発祥地】で【㋺ 何の目的の為に製作】されたか、解るかな?

と、問われましたので、即座に僕の知識ではジーパンの発祥地はアメリカ位いですかね、後の理由は判りません、ご存知ならば後学の為に教えて下さいと訊ねました。

父が言うに一つには、確か1850年代【㋑ 北アメリカのカルフォルニア州で誕生】、金鉱採掘一攫千金の夢を見し男等が集まりて、作業中に悩まされた問題点に【㋺ 猛毒のガラガラヘビに足元を噛まれる危険性がある為】丈夫な防御作業着が求められ、特に下半身の足元を守る為に作られた、との事です。

二つには『カウボーイ等が、太い糸の厚い生地で藍染めにしたジーンズを着用し、毒蛇や害虫から身を守る手段として、遠ざける為に作られた』と云う 二通りの説があり、どちらも間違いでは無いだろうと言っていました。

特にカルフォルニア州にはガラガラヘビが多く、噛まれた部分の組織が破壊され血液が凝り固まり、その毒が神経系に悪影響を及ぼし全身麻痺するとの事で、ジーンズの丈夫な素材と藍染の色素に含まれる殺虫剤の臭いが蛇除けに効果が有り、実用的な理由から労働者の作業着として大流行した!

その時代の【昔のジーンズは丈夫で、太く ねじってある白い糸で作られた生地(キジ)を、タデアイの葉で作った天然の染料で白いジーンズを、わざわざ藍染めしていた。】

その訳は【実は、天然インディゴには殺虫剤のピレスロイドと云う成分が含まれている為に、ガラガラヘビ特有の尾っぽを振りガラガラの威嚇音(イカクオン)も出さずに、そのジーンズ染料の色素の臭いを放つ側から一目散に逃げ去る一方だった】 そうだ!

それと、毒蛇は口の奥の方に牙が有り さほど長くも無く、丈夫で厚く固いジーンズのサイズを地肌に密着させず、大きめに幅広く作り直に肌に噛みつかれ無い様に、工夫されていたようだ。

なお、インディゴの語源はインジゴと呼ばれる藍色の色素の事で、その天然インディゴのピレスロイドに含まれる殺虫剤の成分は、古くから虫や爬虫類と両生類には有毒で有り、インディゴ特有の臭いが虫や蛇を遠ざける事で、蛇除け虫除けに効果有りと伝わって来ている、と云う事です。

されど、天然インディゴのピレスロイドの毒性は、人類や哺乳類や鳥類の体内に入っても、酵素の力で速やか分解され害は無く、昆虫類・両生類・爬虫類・魚類にとっては危険な神経毒との事ですので、注意して使用するようにと教えられましたネ!

また1870年代頃にはアメリカで作業着として実用定着されて以来、百年位い経ってジワジワとファションデニムジーンズへと変化して来ているのだろう、と話された。 

但し、現代のジーンズは石油から科学的に作り出した、合成のインディゴを使用している為に虫やガラガラヘビに悪臭の効果は からっきし無く、威嚇音を出し近づくとガブリと噛み付かれるので、決して近付かぬ方が無難であり、くれぐれも気を付けるように、と言われた!

今は亡き父が、生前に僕に教えてくれた昔のジーンズの お話しは、伝説では無く真実でしたので、ビックリ仰天ニュースですよね! 今日は、この辺で お終(シマ)い?